プロテオーム解析とその応用 その1(食品機能性評価)

 プロテオーム解析は、タンパク質を網羅的に解析する技術であり、ポストゲノム時代の網羅的解析技術の一つとして注目されています。プロテオーム解析では、二次元電気泳動によるタンパク質の分離およびプロファイリング、質量分析によるタンパク質の同定といった一連の解析により、組織や細胞で発現するタンパク質を数百から数千の規模で同時に解析する技術です。私たちは、下記の流れでプロテオーム解析により食品機能性と関連したバイオマーカータンパク質の探索を行っています。
 HepG2細胞などの培養細胞を種々の食品機能性成分で処理し、得られたタンパク質をIC-Dyeを用いた蛍光ディファレンシャル二次元電気泳動により解析する。解析後、食品成分の作用で発現量が増減する興味のあるタンパク質スポットを切り出して、トリプシンによるインゲル消化を実施する。得られた消化ペプチド混合物をAutoflex II TOF/TOFにて解析し、マススペクトルを取得し、ペプチド混合物のマスリスト情報を用いてMscot検索によりタンパク質を同定する。 プロテオーム解析
図.プロテオーム解析の流れ

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