プロテオーム解析とその応用 その2(醸造用酵母解析)

 酵母(Saccharomyces cerevisiae)はアルコール発酵を担う微生物として、日本酒や焼酎などアルコール飲料の醸造に広く利用されています。酵母のゲノム解析は1996年に終了し、そのゲノム上に約6,500の遺伝子を持つことが知られます。我々はこれまでに培ったプロテオーム解析技術を駆使して酵母プロテオーム解析を行い、アルコール産生能の高い酵母の選抜技術開発、アルコール産生に関わるタンパク質の探索、そして最終的にはアルコール高産生酵母開発を目的に研究しました。  58種の酵母二次元電気泳動ゲルイメージから530スポットのタンパク質発現量に関するデータを抽出し、合計30,000以上のスポットデータを取得し、一括してクラスター解析を実施しました。その結果、下図に示したように酵母系統間のアルコール産生量に関わるクラスターが確認されました。 プロテオーム解析
図.酵母プロテオームデータのクラスター解析(黄色に表示された番号は、アルコール高生産酵母)

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